去り行く明日へ《短》
危なかった。もう少しで、この赤ん坊も一緒に殺されてしまうところだった。
…よかった。
この脚も、そう捨てるもんじゃなかったってことかな。
役立たずで、周りにはため息ばかり吐かせていた僕だけど、君を助けることができたよ。
遠くに見える、撃たれては倒れる彼ら。
この戦いに、終わりは来るのだろうか。
確実な答えは、見からない。
それでもきっと終わりは来る
どれだけ辛い状況であっても、必ず。
そう願わずにはいられない。
…でも、ごめんな。
脚が痛くて、もう歩けそうにないんだ。
ごめんな。
僕は君を置いていくことになるかもしれない。
それでも
この戦いの果ての、いつか訪れる平和な世界で、君には笑っていて欲しい。
ありがとう、僕は、君に出会えた事を感謝する。
ありがとう、
どうか
希望で溢れた未来を
生きてくれ。