純色ー彼は芸能人!?―

「未来ちゃん…だったよね。
僕の事も分かると思うけど…

木村が彼女を車に連れて来るなんてまれでね。
よっぽど僕に紹介したかったんだと思うよ。
優から好きになることなんてめったに無かったし、
僕の前で告白したりするなんてびっくりしてこっちが照れちゃったよ。」


そっか…優の名字木村なんだ。
あまり名字で聞いたこと無かったから分かんなかった。


「今までにどのくらい付き合ってたんですか??」

私は重い口を開いた。


「そんなこと言ってもいいの??
今の彼女は未来ちゃんなんだからね。」


私は深々とうなずいた。

でも、なんか"今の彼女は未来ちゃん"って言われる事が嫌だった。

その"今の"って言われるのが次の彼女みたいな感じだったから。


「中学からだったら多分30以上はいたと思うよ。

あの時はこの世界に入ったばっかりで色々病んでたから
告白された人、月替わりで全員と付き合ってたって言ってたはずだよ。

でも高校になってだいぶこの世界に慣れてきた頃かな。
少し自覚もしてきたらしくてあまり彼女の事を聞かなくなった。
理由はそれだけじゃなかった。
もう少し前の事みたいだけど
彼女との間にね、
僕も良くは知らないけど何かあったみたいで
しばらくずっと悩んでた。
この話は直接聞いた方がいいよ。
間違ったこと言っちゃうといけないから。」




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