最後のキオク【更新中】


そして、矢弥は思い口を開いた


「瑠海明ね、記憶が無いんだって。残ってのは、自分の名前だけだって。
あたし、ショックで…
おばさんも華菜ちゃんから聞いて、2人共…すごい泣いてた…
だから、言えるのは…私だけ…だって…思って…わたし…」


「もう良いよ、矢弥、ありがとう」


話している途中から泣き出していた矢弥を、親父が止めた。


袿を親父に渡すと、矢弥はその場に座って、泣いていた。


成美ちゃんの頬にも、涙が伝っていた


俺も、隼も、頬には涙が流れた


泣かないわけが無い




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