遠恋
どのくらい経っただろうか。
少なくとも、自販機で買ったコーヒーが温くなるまで、美咲は僕に抱き着いていた。
腕を背中に回すことはしない。
別れが惜しくなれば、離れたくなくなるのは僕だって同じだ。
「……ゆーと」
美咲がやっと顔をあげた。
化粧をする人を好まない僕に合わせてか、美咲はいつもすっぴん同然だ。
綺麗な美咲の顔に首のあたりが熱くなった。
ひゅるり、風がその熱を奪っていく。
美咲が顔を埋めていた胸のあたりは濡れているため、風がいつもより冷たく感じた。
なに?返事をしながらボタンを閉める。
「……なんでもない」
美咲が、拗ねたときに普段よりも早く瞬きをするのに、気付いているのはきっと僕だけ。
他の誰も気付かなくていい。
「拗ねんなって」
「…別に、拗ねてないもん」
「はいはい」
そう言って、僕は美咲にキスをした。
一瞬驚いた顔を見せるが、素直に体を委ねてくる美咲は、いつもより可愛い。
言ってやったことは1度もないけれど。
少なくとも、自販機で買ったコーヒーが温くなるまで、美咲は僕に抱き着いていた。
腕を背中に回すことはしない。
別れが惜しくなれば、離れたくなくなるのは僕だって同じだ。
「……ゆーと」
美咲がやっと顔をあげた。
化粧をする人を好まない僕に合わせてか、美咲はいつもすっぴん同然だ。
綺麗な美咲の顔に首のあたりが熱くなった。
ひゅるり、風がその熱を奪っていく。
美咲が顔を埋めていた胸のあたりは濡れているため、風がいつもより冷たく感じた。
なに?返事をしながらボタンを閉める。
「……なんでもない」
美咲が、拗ねたときに普段よりも早く瞬きをするのに、気付いているのはきっと僕だけ。
他の誰も気付かなくていい。
「拗ねんなって」
「…別に、拗ねてないもん」
「はいはい」
そう言って、僕は美咲にキスをした。
一瞬驚いた顔を見せるが、素直に体を委ねてくる美咲は、いつもより可愛い。
言ってやったことは1度もないけれど。