あたしの豹変執事
「なんで今更なの?今までずっと高坂さんだったのに!」
あたしは昨日までいた高坂さんが辞めてしまうなんて、想像できなかった。

パパとママは困ったように顔を見合わせると、言葉を選びながら言った。

「高坂くんはこれから新しい生活を始める・・・と言って辞任届を自分で出してきたんだよ・・・。だから私達には止めることもできないだろう・・・?」


パパの言葉にあたしは納得せざるを得なかった。


「でもっ!その代わりに高坂さんのお知り合いの方が咲羅ちゃんの新しく世話係をしてくださるって言ってるから・・・。」
ママがそう言うと後ろから1人の男性がやってきた。


その人は、背が高く、スラっとしていて髪は金髪でスーツをビシッと着こなしていた。

「初めまして。私が新しくお嬢様の世話係を勤めさせていただきます、黒崎 比呂(クロサキ ヒロ)と申します。よろしくお願いします。」

その人は見た目の印象とは裏腹に、これほどにないというほどの満面の笑みを浮かべ、礼儀正しくお辞儀をした。


「あ・・・咲羅です。よろしく。」
あたしはそれだけ言うと、さっさと二階の自分部屋に上がっていった。



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