そよ風とともに
「ねぇ 待って~お隣サァ~ン!どこ行くの?おじさんから何を聞いたの?」

追いかけながら早口で質問した。

「はぁ?」

私の呼び掛けに眉間にしわを寄せながら振り向いた。
「俺お隣さんだけど名前くらいあるぜ。桜木 陸(サクラギ リク)よろしく!渉さんとはここの大家さんの知り合いで俺のことも可愛がってくれてるんだ。だからさ、お前が越してきたらこの町の案内と荷物もちしてやってくれって頼まれたんだ。」

振り向きざまにニッコリ爽やかな笑顔を私にむけた

(うゎっ、笑顔が眩しい)

そして…

「駅まで歩くぞぉ~」
これまた爽やかに微笑みながら私を待っていてくれた。

アパートを出てすぐの道は大きな川が流れていてる川沿いの道路になっている。河川敷は広く、公園とかも整備されていた。川沿いの道は交通量も少なく、子供の通学路になっているみたい。

二人で並んで歩きながらおじさんのことを話してくれた。

おじさんは私のことをとても心配してくれていたこと。
今回久しぶりに連絡くれてすごく嬉しかったんだって。

そう、私は両親を18歳の時に亡くしてから一人で誰にも頼らず今まで生きてきた。おじさんに迷惑かけちゃいけないって思ってたから。
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