桜が舞う頃に
事実
「変な病気じゃないといいわね」
お母さんが深刻そうに言う。
あたしにはその深刻さがわからなかった。
「うん。。。。」
あたしってお母さんから見たら病人に、見えるのかも。。。



「ここよ」
お母さんが連れてきてくれた病院は大きな総合病院。
あたしは何も言えなかったんだ。
お母さんの横顔は今にも泣き出しそうだったから。
「こっちに行きましょう」
手を引っ張られ連れて行かれた場所は精神科だった。
「・・・お母さん??!」
意味のわからないままお母さんは泣き出していた。
「ごめんね・・・・」
お母さんの泣き顔は初めてだった。
何で精神科なのかわからないまま診察を受ける。



あたし、心の病気なの・・・・??



看護婦さんがあたし達の名前を呼ぶ。
診察結果が出たようだった。
「あ、お姉ちゃんはあっちのお部屋に行ってくれるかな?」
お母さんについて行くと看護婦さんに言われた。
「・・・はい」
「こっちだよ-」
もう一人の看護婦さんがあたしの向かって手招きをする。
あたしが呼ばれた部屋も小さかった。
「緊張しないで答えてね」
あたしが部屋に入るなり、看護婦さんが言う。
「座っていいよ」
部屋にあるイスに腰掛ける。
看護婦さんが言った言葉は信じられなかったんだ。




「あのね、夏凜ちゃんは心の病気なの・・・・」
は??
心の病気??
「何か、ストレスとか、思い当たることはある??」
あたしの心の中で思い浮かんだのは嫌がらせ。
黙るあたしを見て看護婦さんは
「何か思い当たることあるでしょ??言ってみて」
こんな他人に言っていいことなんだろうか。
他人と言っても看護婦さんだけどあたしのこと何にも知らないし。
「あのね、話したらずいぶん楽になると思うよ??」
優しく話しかけてくる看護婦さん。
話せれないよ・・・・




「もしかして、いじめにあったりはしてないよね。。。?」
「えっ!!」
「ちゃんと言って。あたしはあなたを救いたいの。」
「・・・・」

< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop