桜が舞う頃に
気のせいじゃなかった。。。。
美衣が睨んでいたこと。
だって、家に帰ってからの萌、梨亜、陽菜のメェール。
<今日、美衣が睨んでいたよッ!!>
<校外学習の班決めの時、スゴイ顔で美衣、夏凜のこと睨んでた!!>
<あんさぁ、気のせいかと思ったんだけど
 美衣、夏凜のこと睨んでいたような。。。。>
3人から同じような内容のメェールって。。。。
あぁ-。。。。。
やっぱ間違っていたのかなぁ。。。。
ぬいぐるみを思いっきり壁にぶつける。
わからないよ。。。。



「~♪」
携帯が鳴る。
なぜか嫌な予感がわいてきた。
おそるおそる携帯を開けると
「着信中 美衣」
の文字。
なんだろ。。。。
美衣からの電話は初めてだったりもする。
出ない方がいいのかな。。。。
悩んでいるうちに切れてしまった。
極度に怖くなったあたしは萌に相談することに決めた。
「はいはぁい♪」
元気な萌の声を聞くと安心する。
「萌-。。。。。」
「夏凜??どした??」
「さっき美衣から電話来たぁ。。。」
「はぁ??!!電話、出たの??」
「出ようかでないか迷っているうちに切れちゃった。。。」
「マヂで??どうせ、今日の班決めのことじゃない??」
「気にすることナイよ」
「そだよね。わかった♪ありがと★」
電話を切った後もあたしの不安は続いた。
班決めの時、あたし達は一方的に優也をとっていた
と、美衣には見えたのかもしれない。
あたしもあたしだよね。
美衣に好きな人を聞かれたときに
「優也が好き」
と言えば良かったのかもしれない。



考えても考えても答えが出なかった。。。。
出てきたのは
「優也をあきらめる」
できないよ。。。。
優也をあきらめることができたらこんなに苦しいことはないんだから・・・



けれど今思えばこのときにでも美衣に優也を譲っていたら良かったのかもしれない。
美衣の力はすごかったんだ。。。。



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