透明図
サキが私に設計図のことを聞くのは、よほどその人のことが気になった時だ。

サキは私の不思議な力をちゃんと信じてくれてはいないけれど、私が何かを感じ取る感性を評価してくれている。

サキに言わせれば、私の人を見る眼は頼りになるのだそうだ。

私はまだ藤橋ユウヤのそれを見ていない。

それは、見ようと思わなければ見れないのだ。

その人を見つめ、設計図をイメージする。

そうすると徐々にそれは現れ、私を不思議な世界に引き込む。

私は、サキにそれが見えたら教えるよと言って、別のクラスに入った。

私とサキは、今では違うクラスなのだ。
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