透明図
「仕方ないだろ、お前がまさかオイラの声を聞き分けるなんて思いもしないんだから」
「人間がオイラの声を聞き分けるなんて前代未聞だぜ」
自転車のカゴにのって腕組するネコを見るのは初めてだが、ネコにぶつくさと文句を言われながら歩くのも初めての経験だった。
そいつは一度しゃべらせてみたら、よくしゃべるネコった。
「ねぇ、アンタなんで…」
と言いかけて口をつぐんだ。
私は、このネコから何を聞けばいいだろうか。
聞くことは無数にあるように思えた。
なんで私と喋れるの?
私以外とも喋れるの?
なんで私に話しかけてきたの?
なんであの時、狙うでもなく鳩を見つめていたの?
そうだ、真っ先に聞かなければいけないのは鳩のこと、藤橋ユウヤのことだ。
「人間がオイラの声を聞き分けるなんて前代未聞だぜ」
自転車のカゴにのって腕組するネコを見るのは初めてだが、ネコにぶつくさと文句を言われながら歩くのも初めての経験だった。
そいつは一度しゃべらせてみたら、よくしゃべるネコった。
「ねぇ、アンタなんで…」
と言いかけて口をつぐんだ。
私は、このネコから何を聞けばいいだろうか。
聞くことは無数にあるように思えた。
なんで私と喋れるの?
私以外とも喋れるの?
なんで私に話しかけてきたの?
なんであの時、狙うでもなく鳩を見つめていたの?
そうだ、真っ先に聞かなければいけないのは鳩のこと、藤橋ユウヤのことだ。