透明図
私が鳩のことを聞くと、生意気なノラネコは意外な答えを返してきた。

「アンタ、ノラネコが何食ってるか知ってる?」

「ノラネコの食べるもの…?エーと、ネズミとか?」

ノラネコは笑った。私は生まれて初めてネコに笑われたのだ。

そうかぁ、私ネコに笑われたのかぁ。しみじみ考えて少しへこむ。

「まぁ確かにネズミとか、トリとか襲うのもいることは確かだ。でもな、そんな獲物を襲ってるのは一部だけだぜ」

よく聞いてみると、このネコは少年のような声でしゃべる。

そこがまた生意気に感じる。

「じゃあ何、草でも食べてんの?」

ネコは、ちょっと呆れ気味に答えた。

「うーん、毛玉吐き出すときにはな。」

私はネコというものを飼ったことはなかったので、いってる意味はよくわからなかったが少しバカにされたのはわかった。

「エサをくれる人を探すんだよ。」

たまり兼ねたように生意気なノラネコは教えてくれた。
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