透明図
それから一週間とちょっとは、あっという間に過ぎてしまった。

藤橋君は、普段通りの明るさを装ってしまったから、私はなかなかいろんな事を聞き出せないでいたし、テストの日は一日、一日と近づいてきて、ノラにも会えずにいた。

ノラは私を待っているだろうか。

ふとそんな疑問が頭に浮かんだりもしたが、私はそれにばかり構ってもいられないし、そんな心境で、結局何も進んだりしなかった。

私は塾に通っているわけでもないからなのか、こうゆう時期は余計に焦ってしまう。

きっと塾に行っていたら行っていたで焦ってしまうんだろうな、なんてことも時々思ったりもするけれど。

この前の土曜日と日曜日は、みんなで図書館で勉強した。

私、サキ、ミヤ、ユキ、それとユキの彼氏。

ユキの彼氏は相変わらずおもしろかったし、私は時間が立つのを忘れるほどに楽しかったんだけれど、なんでだろう、不思議とあんまり記憶に残らない日々だった。

理由はよくわからない。

近ごろ勉強ばかりしてるせいだろうか。

もしかしたら藤橋君とまだ話すことがあるからなのかもしれない。

それとも、しばらくノラの生意気な声を聞いていないからだろうか。

私の透明図はいつも何も答えてくれない。

ただそこにたたずむだけ。
明日、学校が終わったらノラに会いに行こうかな。

ゆるいシャワーに打たれながら、私は明日を想った。
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