水中鉄道の夜2-終着駅-
 やっとこのもやもやの正体がわかった。
 もやもやの正体は恋心。

 そして初めて感じるこの感情に振り回されてずっとイライラしていた。

「あははは、馬鹿みてぇ・・・」

 ずっと不可解だった自分の行動がすんなりとほどけて、あまりにも単純な事だったことが判り、笑いがこみ上げてつい笑ってしまった。

 俺は見合い写真を元に戻し、ベットに入る。

 これが誰かを想うという気持ち・・・。
 眠っている枝実さんを、起こさないように気を付けながら、自分の腕の中にそっと閉じ込める。
 枝実さんを必ず俺のものにする。
 経験や知識のスキルが足りない俺だけど、出来るだけ早く枝実さんの大恋愛する相手に相応しい人間になってみせるから、悪いけど、お見合いは邪魔させてもらうよ。
 人を愛するという事にもまだスキル不足だから、枝実さんをこれから悲しませたりするかもしれない。
 けど、俺は俺のやり方で枝実さんを必ず幸せにする。

 だから・・・。

 少しだけ時間をください――――――――――――。







           - END -
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