水中鉄道の夜2-終着駅-
「あら? 瀬戸内君」
白々しく、科学の先生がドアを開けた俺を見て声をかける。
この先生は確か枝実さんと変わらない年齢だったような記憶がある。
ただし、既婚者で、生徒に手を出すようなろくでもない女教師だが・・・・・。
この女教師は、じかに俺のクラスを受け持った事はないが、内田との関係上、色々とあって体の関係があるうちの1人だ。
「どうしたの? こっちに来たら?」
妖艶な笑みがなげかけられる。
成熟した大人の魅力とでも言うのだろうか、色気があるし、いつも年齢的に俺とそう変わらない女の子ばかりだったので、たまには年上もいいかと思ったのだけど、何だかここまでくると鬱陶しいばかりでもうウンザリだ。
「いいえ、ここで結構です。今後は、もう内田に伝言を頼まないでください。俺、2度とここには来ませんから」
「・・・誰か特定の好きな子でも出来たの?」
「いいえ、ただもう飽きたんですよ」
「どうして?」
先生が立ち上がって、お尻を振るようにしてこっちにやって来る。
俺は静かに開いたドアの前に立ったまま先生を見つめた。
女教師の表情は、言いなりになる男に慣れている女の顔だ。
「言葉の通りですよ。こんな事をしていたら、後々面倒な事になりそうだと思いましたので、ここいらで辞めさせて頂こうかと思ったんです。たまには違う料理もいいかと思ったんですが、こう脂ぎっていて胃もたれがひどいのではね?」
「なっ!」
さっと顔を赤らめ、次の瞬間俺を睨む先生は、美人もかたなしだった。
「それでは失礼します」
俺はそのままドアを出て、帰る為に昇降口へと向かう。
結婚している先生との情事もスリルがあって面白いかと思ったが、思ったほど楽しくもなく、逆にこっちが利用されているような最悪の気分だった。
科学の先生は、以前この学校にいた国語の教師と恋愛結婚したと聞いている。
大恋愛に憧れて婚期を逃している枝実さんに、この現実を見せてやりたいような気持ちだ。
それでもあの人は大恋愛に憧れるのだろうか?
でも、きっと枝実さんなら悲しそうな顔をして、何か事情でもあるんだと言いそうだ。
あの人は、純粋過ぎて子供だから・・・・・・・。
白々しく、科学の先生がドアを開けた俺を見て声をかける。
この先生は確か枝実さんと変わらない年齢だったような記憶がある。
ただし、既婚者で、生徒に手を出すようなろくでもない女教師だが・・・・・。
この女教師は、じかに俺のクラスを受け持った事はないが、内田との関係上、色々とあって体の関係があるうちの1人だ。
「どうしたの? こっちに来たら?」
妖艶な笑みがなげかけられる。
成熟した大人の魅力とでも言うのだろうか、色気があるし、いつも年齢的に俺とそう変わらない女の子ばかりだったので、たまには年上もいいかと思ったのだけど、何だかここまでくると鬱陶しいばかりでもうウンザリだ。
「いいえ、ここで結構です。今後は、もう内田に伝言を頼まないでください。俺、2度とここには来ませんから」
「・・・誰か特定の好きな子でも出来たの?」
「いいえ、ただもう飽きたんですよ」
「どうして?」
先生が立ち上がって、お尻を振るようにしてこっちにやって来る。
俺は静かに開いたドアの前に立ったまま先生を見つめた。
女教師の表情は、言いなりになる男に慣れている女の顔だ。
「言葉の通りですよ。こんな事をしていたら、後々面倒な事になりそうだと思いましたので、ここいらで辞めさせて頂こうかと思ったんです。たまには違う料理もいいかと思ったんですが、こう脂ぎっていて胃もたれがひどいのではね?」
「なっ!」
さっと顔を赤らめ、次の瞬間俺を睨む先生は、美人もかたなしだった。
「それでは失礼します」
俺はそのままドアを出て、帰る為に昇降口へと向かう。
結婚している先生との情事もスリルがあって面白いかと思ったが、思ったほど楽しくもなく、逆にこっちが利用されているような最悪の気分だった。
科学の先生は、以前この学校にいた国語の教師と恋愛結婚したと聞いている。
大恋愛に憧れて婚期を逃している枝実さんに、この現実を見せてやりたいような気持ちだ。
それでもあの人は大恋愛に憧れるのだろうか?
でも、きっと枝実さんなら悲しそうな顔をして、何か事情でもあるんだと言いそうだ。
あの人は、純粋過ぎて子供だから・・・・・・・。