【短】おかえり
「・・・・・比奈」
愛しい彼の声が耳をくすぶる。
「……紫季…?」
今の彼の声で起きた風に演じる。
彼は私の首に顔を埋めていた。
そしてそのまま彼の腕の中で快楽を味わう。
まんまと私は彼に溺れる。
昼間の彼を目撃しながらも、いともたやすく自分を許してしまう。
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乱れた二人の息遣い。
ぐったりと彼は私の横に倒れる。
重たい身体を動かし彼に寄り添い胸に顔を埋める。
少し速い彼の心臓。
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