エンキョリレンアイ
第1章

出逢い

「お前とは無理」

その一言で私たちの2年と3ヶ月は終わった。

この年になると簡単には涙なんか出てこなくて。

ただボーっと走馬灯のように私たちの過去を思い出しながら家までとぼとぼと歩く。

本当は彼が車で送ってくれると言ったけれど、私の存在を無理の一言で切り捨てた人に送ってもらいたくなどなかった。

でも、そんな彼に対しても怒りなんて全く沸き起こるわけではなく良かったことしか出て来ない。

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