ドラム女の過去~不良のあいつ~


秋は頬を伝う涙を無視して
渚のほうに一直線した。


ーなんで泣いてんだろ、ウチ・・・


「染谷!!!」

秋はブランコの前に立ち止まった。


渚は秋の姿をみて
目を丸くしていた。

「おくれてごめんっ!
 その・・・メールみてなくって・・・」

両手を前にかざして
腰を曲げ あやまる姿勢をとった。

「俺が何時間まったと思ってんだよ!!」

渚はいきなり秋を怒鳴りつけた。

秋はその怖さに硬直した。


「あっ・・・いや、だから・・・本当ごめ・・」

秋があやまろうとすると渚がさえぎった。

「なーんて、俺が言うと思った?」

不良には似合わない
ニカッとした顔で秋に笑いかける渚。









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