【短】エミリーの 懸賞チョコ
バレンタイン当日~
愛利に秘密だった私は、
音楽室での授業中に
コソッと抜け出して
誰もいない教室に
戻った。
贈り主は
敢えて書かなかった。
だって……
席が隣だから
そんなのって
恥ずかし過ぎるじゃん。
どうせ懸賞チョコ
当たりっこなんて
何回死んでも
ある訳なんか
ないから……。
このマフラーと
チョコさえ、
拓さまの手に
届けばいいと……。
拓さまの机上に
紙の包みを置いて、
教室を
出ようとした瞬間!!
教壇の後ろから、
な、な、何!?!!?
白い煙りがフワ~って!
たちこめて~
「キャァ~~~
な、何、何なの!?
火事?
亡霊!?」