続:お嬢様☆執事
囚われの身
「…俺が秋山製菓を継ぐ予定だったんだよ」
「なんで…里斗が?」
沙羅はベットの上に起きあがった状態、里斗はベットに座っている状態だった。
「トップの中で社長の次くらいの力を俺は持ってた。そのときの社長は秋山和弘[アキヤマカズヒロ]。創也の父親だ。その時、社長は重い病を抱えていた…。今もまだ治ってはいない。そんな時俺は秋山製菓を頼む、と言った。一番俺が次の社長に近かったからだ。同僚たちも大賛成…」
里斗は優越感で表情を明るくする。
「だが…」
目が鋭く光る。
「あの社長に息子がいるとは初知りだ…。しかも、息子は俺が継ぐはずだった秋山製菓を横から奪い取りやがった!…なぜだ?」
「俺は使用人共に調べさせた。…一ついい情報を手に入れられた」
里斗の手が沙羅の顎を掴んだ。
「…お前の“元”執事だった。秋山家の長男でありながらお嬢様に仕える執事…?情けない」
「…情けない?」
ずっと黙って話を聞いていた沙羅が口を開いた。
バチン!!
「ふざけるな!!さっきから話を聞けば偉そうに…。えぇ、そう!創也は私の執事だった!で、それがどうしたって?なんで私がこんな目に会うわけ?あんたは創也が憎いんでしょ!?男なら自分でハッキリと白黒つけなさいよ!!」
沙羅の怒りは頂点を達していた。
「…」
「そもそもなんなのよ」