続:お嬢様☆執事
「丁度、話したいって思ってた」
『あ、そう?ちょっと報告』
なんだか機嫌がよさそうな感じ。
『色々あるんだけど…まずは父さんの事。…無事です。手術はいつのまにか終わってた。他の先生が担当したみたい。手術が終わってるとか聞いてなかったからびっくりした。父さんが早めにしてくれてって頼んだらしいよ』
「あぁ、よかったぁ…」
沙羅は安堵の表情を見せた。
『それと里斗のこと。さっき、里斗のお父さんに会いにいった。…お父さんな、里斗に謝ったんだ。今まで悪かったって。里斗、涙流しちゃって。あいつ、あんなに泣き虫だったけな。それと俺も泣きそうになった』
創也は笑っていた。
「創也も泣き虫になっちゃった?」
沙羅もつられて笑う。
『アハハ。そうかもね。…里斗のお父さん、もうすぐ定年らしいんだ。あの本田家の子供は里斗しかいない…。里斗も一応、医師の免許持ってるみたいだから、さ…』
「ってことは…」
『そういうこと』
里斗は本田病院を継いで、創也も…。
「あぁ…そっかぁ…」
沙羅は思わず涙を流した。
『沙羅…?今、泣くなよ』
「…?“今”?」
『もう一つ、言うことがある』
創也は一息ついて言った。