生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「それ、似てるって言わないよね?」

「言うのよ」

「あー、はいはい。そうですか」

「何、開き直ってるのよ」

 乾いた笑い声を響かせながら家路を急ぐ。



 トポトポトポとマグカップにお湯を注ぐ音を聞きながら、もうひとつマグカップを取り出す。

「雄太郎、コーヒー飲める?」

「あ…、飲めない」

「紅茶と緑茶、オレンジジュースとリンゴジュースがあるけど?」

「じゃあ、緑茶で」

 食器棚から急須を取出し茶葉を探す。

 あれー?茶葉、どこ?
 この前飲んだのは、タツキだったかしら?

「タツキー?」

「うん?」

「茶葉、どこ?」

「食器棚の隣の棚、えーと、上から三段目の引き出し」

「んー、あったあった!」

 封の切られた細長い袋。

 サーと音を立てて急須の中に落ちていく。


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