生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「……雄太郎、良かったわね。
長谷川家の…いや、タツキのお母さんが長谷川家の人間で」
「俺も初めて知ったよ……。
……あっ!帰らなきゃ!母ちゃんに、連絡してねぇっ!!」
時計を見た途端、飛び上がるくらい驚いて荷物を持つ。
ヤバイ。ホントに犬に見えてきたわ……。
「お、お邪魔しましたぁーっ!!」
慌てて出ていく様を見ていたら、自然と笑みが零れた。
飲み終わったマグカップを持ち、立ち上がる。
夕飯何しようかな、なんて考えていると、腕を引っ張られた。
「きゃっ……」
小さな悲鳴を上げ、タツキの隣に倒れこむように座る。
眉を寄せてタツキを見れば、はぁー、とため息をつかれた。
「何よ。人の顔見て、ため息つかないでもらえるかしら?
それと!前触れもなく腕を引っ張らないでちょうだい」
「旦那には無愛想だねぇ?」
「はあ?」
「雄太郎を見てニコニコしてたくせにぃ」
「あれは!どう見ても犬みたいでおかしかったのよ」
まだ着替えを済ませていない、制服姿の私。
その制服のスカートから出ている私の足を撫で回すタツキに、一発くれて立ち上がる。
もう!ちょっと隙を見せれば撫で回すんだから!