生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「今考えると、一番辛かったのって母さんだったのかもね」
「今ごろ気づいたの?バカね」
クスクスと笑いながら鍋をかき混ぜる千紗。
「俺、教師になって良かったかも」
「何でよ?」
「千紗と過ごす時間が増えたし、夜中に飯食べなくていいから太んないし?」
「バカね」
「バカ、バカ、言い過ぎ!」
「だって、タツキは二人と秘密の関係なのよ?」
「え?」
「一人は、私と長谷川先生。
生徒と先生の禁断な秘密の関係。
もう一人は、雄太郎と長谷川先生。
異母兄弟という秘密の関係を持った、生徒と先生……」
うわー。
完璧に忘れてた。
ん?でも……、バレなくちゃいいのか。
「学校で千紗に触ってもい」
「ダメに決まってるでしょ!?」
「誰もいないところでも?」
「当たり前でしょ!!」
「とりあえず、バレなきゃいいんでしょ?」
「『とりあえず』じゃなくて『必ず』ね」
とりあえず(必ず)1年間、バレないように過ごすかな。
俺と千紗。
俺と雄太郎。
隠し通して見せましょう。
そう。秘密の関係を―――