生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「はい、もしもし」
『あっ…オレオレ!』
「………だから?」
『ひどっ!愛するだん』
「うっさい!黙れ、タツキ!」
『最後の旦那様くらい言わせてよ〜!』
「……………」
『ちっ千紗?ごめん、ごめん』
「はぁー。で、何?仕事は?」
『ん?仕事?あぁー、今日、木曜日じゃん。休み、休み!
だから千紗を迎えに行こうと思ってさ。
本家にいるでしょ?』
「あっ………いや、その今学校に」
『え?なんで?』
「生徒会の仕事が終わらなくてね。
でも、あと1時間くらいで終わるから歩いて帰るよ」
『ふーん。終わったら電話してね』
「は?だから、歩いて帰るって言って………あっ!」
私の耳には、タツキの声の余韻と虚しい終話音だけが響いていた。