生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「……ん?タツキ?
えぇっと、歳は25?だったかな…。
仕事は、塾講師」
「ふーん。タツキさんは、千紗の彼氏なんだね〜」
止めていた手を動かし、再びガサガサとした音が響いた。
「ハヤシっち何言ってるの?
ちぃは、タツキさんの許婚なの!」
「ちょっ!み、ミドリ!何いっ」
「「許婚ぇ?!」」
興味が無さそうだったタクも、雄太郎も驚いて同時に叫び私を凝視する。
「はぁー。
……まぁ、確かに私はタツキの許婚だけどね」
「……許婚ってあれだろ?
お互いの親が勝手に婚約を決めるやつ」
「うん、そんな感じ。
私もさ、中学2年まで許婚の存在なんて知らなかったし」
「え?じゃあなんで?」
字を書く音、ファイルをめくる音、紙袋を漁る音と共に中学2年の時のことを思い出す。