生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「……終わったー」
私が力なく呟くのと同時にミドリも終わったらしく首をグルグルと回していた。
「さすがちぃだね。言ったとおり1時間以内に終わらせてるね」
首を回し終え時計に目を向けているミドリが独り言のように静かに言った。
「え?………本当だ」
釣られて時計を見れば再開した時間から約40分が経っていた。
「ちぃ、電話しないの?」
「んー、歩いて帰る。
今ごろどうせ寝てるだろうし」
「じゃあさ、千紗。
千紗ん家まで送ろうか?」
「雄太郎と私の家は、反対方向でしょう?」
「でも、心配だろー?
ミドリちゃんはタクに送らせればいいし」
「あたし、ヒロっちと帰るの?」
「笠井、嫌なら送らないけど」
「ヒロっちがいいなら送ってもらおー!」
「じゃあ、はやくしろ」
「はーい!」
「っていうこと!千紗帰ろう?」
「ありがとう、雄太郎」
雄太郎はニッと白い歯が似合うその笑顔を向けた。