生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
誕生日に見え隠れする不安と影


 ◆◆◆

 一発で追試をクリアした雄太郎とミドリさんも一緒に。

 ドタバタと駆け抜けるように、卒業式を終えた生徒会メンバー。

 何だかんだ言って、手抜きもせずしっかりと仕事をこなす姿を初めて目の当たりにして感心した。

「つ、疲れたー。ちぃ、お茶ー」

「お茶くらい自分で煎れなさいよ。ポットも急須もあるんだから、もう」

 ぶつぶつ言いながらも、人数分の湯呑みを用意する千紗に笑みが零れてしまう。

 先ほどまでの卒業式の片付けで、疲れてるのを分かってるからこそ動いてくれてるんだろうけど。

 千紗だって同じくらい疲れてるんじゃないのかな?

 っていうか、一番疲れてる気がする。

「千紗さん、手伝うよ」

 足音も立てずに近づき、おぼんに乗せた湯呑みを運ぼうとする俺に、くすり、と綺麗な顔に花を咲かせて見せた。

「ありがとうございます」

 先に三人分の湯呑みを持って行き、机に置いて近くの椅子に座る。


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