生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
和やかだ……。
学校(ここ)に来てから色々なことがありすぎて濃い生活を送ってきた気がする。
それは、たぶんあながち気のせいじゃないと思うけど。
俺にとっては、生活習慣も改まったし、普段の千紗の様子が見れて良いことずくしだけどね。
でも、忙しさは塾講師してたころより遥かに上回ってるのかな。
ほら、塾って平日の昼って何もないでしょ?
「はい。長谷川先生もどうぞ」
「ありがとう」
いつのまにか俺の隣に腰掛けてる千紗は、優雅にというか、疲れからか眠そうにゆっくりとお茶を啜っていた。
はぁ。
もう、3月に入ったんだよな……。
3月って言えば……、
「あっ!!」
わわわ!!
3月10日って、千紗の誕生日じゃんっ。
どうしよう……今年、何あげようかな。
千紗は千紗で『何もいらないわ』とか、毎年のように言ってるけど、ねぇ?
「長谷川先生?どうかしましたか?」
「えっ。あ、別に……」
明らかに、怪しいっていう目で見るのは止めてもらえませんかね?
ほら、まだ千紗ひとりなら平気なんだけどさ、四人から熱烈な「何だよ、気になるだろ」的な視線を浴びちゃうと、こう。
「……す、すみません」
縮こまって謝るしかないでしょ?