生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「私、雄太郎と噂が立ってるなんて知らなかったわ。ミドリ、知ってた?」
「うんっ。前に空手部の子に『生徒会長と雄太郎くんが付き合ってるってホント?』って聞かれたことあるもん」
「何よ、ミドリ。知ってたのに教えてくれなかったの?」
「だって、ほら。ハヤシっちと付き合ってるなんて嘘だって分かってたからいいかなって」
『いいかな』って、ねぇ。
噂が一人歩きする前に、誤解だってことを言わないとっ。
っていうか、言ってくれなきゃ、俺がなんか嫌だし?
「そういえば、俺も『千紗さんって会計と付き合ってるってホントっすか?!』って後輩に聞かれたな」
「はぁ?タクも知ってたの?!」
「まぁな。デマだからいちいち言う必要ないと思ったんだよ」
「デマとかそういう問題じゃなくてっ!」
「はあ?デマだから別に気にすることでもないだろ?」
「デマだから!気にするんでしょーっ?!」
「うるせぇな。俺は悪くない」
「悪いとか悪くないとかそういう問題じゃないのよっ!もうっ」
………なんか、俺、蚊帳の外?
生徒会の顧問になって早1ヶ月経つけど、なかなかこのテンポの良い会話に入っていけないんだよね。
むしろ、聞いてる方が楽しいし。
今度、前任の村上先生に“上手く会話に入る術”でも伝授してもらおうかな?