生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「俺は、紗葉の幼なじみだし、あれは俺に向かって言ったよね。だから、聞くよ?」

「………」

「はぁ。俺だって、こんな風に無理やり聞くなんて柄じゃない。分かるよね?」

 なるべく優しく聞いてるつもりだけど、千紗は微動だにせず押し黙っている。

 そんなに、言いたくないのかよ。

「……こっち向いて」

 ふるふると首を横に振って、こちらを向くのを拒否する千紗。

 手荒だが、しょうがない。

 千紗の肩を掴み、強引に反転させ、片手で千紗の両手を頭の上で拘束、もう片方の手で千紗の顎を捕えた。

「言って」

「……イヤ」

「じゃあ、その理由」

「………」

「いい加減、怒るよ?」

「……もう、怒ってるじゃない……」

 全然怒ってないんですけど。

 むしろ、弱気な千紗見れて楽しんじゃってるし?


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