生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「財布と服ね。どっちがいい?」

「お財布は、姉さんがフランスで買ってきてくれるみたいな話があるから、服かしら?
……っていうか、なんで?」

「服、ね。明日、一緒に買いに行こっか」

「私は『なんで?』って聞いたのよ」

「んー。内緒っ」

「明日、行かないわよ」

 拗ねたような可愛い声で言うもんだから、口元が緩む。

 千紗は体を屈めてコマチさんを呼び、膝の上に乗せた。

「明日、誕生日でしょ?だから、プレゼント」

「……誕生日」

「プレゼント、いらないとか言わないでね」

「言わないわよっ!
そ、そうじゃなくて……っ」

「何?」

 ちらり、と鏡越しに俺の機嫌を伺うような素振りを見せた。

「………その、17になったらって。でも、タツキは教員になったから。
……だから、入籍の話って……」

「あ、そうか。まだ、入籍できないね。式だけ挙げちゃう?」

「そんなわけにはいかないわよ」

 髪を乾かし終え、コマチさんを抱きながら立ち上がり、そのままベッドに移動した。


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