生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
赤いチューリップの花言葉は『永遠の愛』
◆◆◆
私の目の前には、真っ赤なチューリップ、17本の花束。
震える手でチューリップに埋もれた手紙を掴み、封を開けた。
[愛しい千紗へ。
やっと、君のもとへ帰ることが出来る。
嗚呼、愛してる。
君も、僕と同じ気持ちだろ?
春に迎えに行くからね。
佐野泰明(さのやすあき)]
身震いするような気持ち悪い手紙。
くしゃり、と手紙を握り潰し花束と一緒にゴミ箱に放った。
全身の震えが止まらない。
怖くて、気持ち悪くて、逃げたくて、でも逃げられない、どうしようもない震え。
大丈夫。
佐野とは、もう無関係なんだから。
春に迎えに来るわけない。
……来てほしくない。
嬉しかった誕生日が最悪なものと変わり、それを引きずって月曜日学校に向かう。
重い足取りで廊下を歩いていれば、前からミドリが駆けてきた。
「ちぃーっ!おめでとぉーっ!!」
可愛らしい笑顔で抱きついて、私を見上げるミドリ。
いつもなら釣られて笑う所なのに、視界が歪んでしまう。