生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
あの寒気と殺気が同時に襲ってくるような手紙。
今まではなかった……。
「ちぃ、タツキさんに言わないの?あたし、ヤダよ……。また、あんな風になるなんて……っ」
「……今、迷ってるのよ。言おうかどうか。まだ、本当に来るかどうかなんて分からないし。それに、4年も前のことよ?」
「だけどっ!今度は、暴力だけじゃ済まないかもしれないよっ?!ヤダよ……、ちぃ、言おう?タツキさんにじゃなくてもいいからっ。
あのことを知ってる祥也くんや啓輔くん、それに事情を話せばハヤシっちやヒロっちだって……」
「ダメよっ!!暴力だけで済まないかもしれないだったら、余計っ。
……祥也と啓輔はもう迷惑かけたくないのよ。
それに、雄太郎やタクにも迷惑なんてかけられない……」
……分かってるのよ、そんなこと……。
もし、アイツが帰ってくるなら私ひとりじゃどうしようもできないことなんて。
だけど……。
「アイツは、アイツは迎えにくるんだよっ…」
「頼れないのよ。だってアイツは――」
「“アイツ”って?」
不意に聞こえてきたタツキよりも少しばかり高く子供っぽい声。
勢いよく振り返り見てみれば、ドアの一歩手前に笑顔でたたずむ雄太郎と、ドアに寄りかかるタクの姿。