生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「いつからストーカー行為が激しくなったの?」

「中1の冬くらいかしら。
佐野は私に告白したのよ。『ずっと好きでした』って、赤いチューリップの花束と一緒に。私の誕生日にね」

「赤いチューリップ……?」

「赤いチューリップには『永遠の愛』っていう花言葉があるのよ」

 それを知った――佐野の口から聞いたとき、立っていられなくなるくらい目眩が襲ってきたのを覚えている。

 普通、中学生の告白で花束なんて贈らないわ。

 ましてや、そんなに話したことのない相手にいきなり……。

「もちろん、私は断ったわ。……なのに」

「佐野泰明は、諦めなかったんだな」

「そうよ。佐野はその後、何回も何回も私に告白してきた。でも、私は断り続けたのに……。
佐野は。佐野は、私を殴って、さらに脅してきた」

 いつもと変わらない放課後だったのに。

 教室にいた私にいつものように告白をしてきた佐野に断りを入れれば、腹に一発、佐野の拳が沈んだ。


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