生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「『付き合ってくれなかったら、ミドリさん、どうなるかなぁ』って」
「………ちぃっ」
「私は……。私は、仕方なく承諾したのよ。関係のないミドリに標的が変わる前に」
「付き合った、の……?」
「えぇ。……でも、私には無理だった。だから、キスしようとする佐野を拒んだの。
そしたら佐野は私に、『主人に逆らっちゃダメだよねぇ』って、笑いながら私を殴ったり蹴ったり……っ」
治ってるはずの身体が痛い。
未だ鮮明に思い出す、あの狂った佐野の笑った顔。
別れたくても、ミドリを思うと別れられなかった。
「それから毎日。私は、佐野に犯されるわけでもなく、ただ暴力をふるわれ続けた。それも、見えないトコロに」
「………あたしは、ちぃの痛みに苦しみに気付いてあげられなかったの……。でも、日に日にちぃは痩せこけていったから。ちぃが倒れてから、やっと、やっと、気付いてあげられたの……っ」
「……ミドリちゃん」
「でも、あたしひとりじゃ太刀打ちできなくて。だから、祥也くんや啓輔くんに全てを話して助けてもらうことにしたの……」
「啓輔にミドリを守ってもらえるように頼んで、私は佐野に別れを告げた」
……なのに。
『別れた』って思ってたのは、私だけ。