生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「タク、ありがとう」

「ああ」

「何かあったの?」

「1年の担任。ほら、あの髪の長い女いるだろ?アレ、新任なんだ。アレがめんどくさくてな」

「タクがタイプなんじゃない?」

「それだけは、避けたい」

 ざわざわする体育館に、マイクを通して進行役の先生の声が響いた。

 体育館は、一瞬にして静まり、春に相応しい音楽と共に新入生が入場。

 ちらり、と横を見てみればミドリと雄太郎は寝てるし。

 その間に、私の『生徒会長のあいさつ』が無事に終わり、入学式も終わりに近づいてきた。

 こういう場合って生徒会長も居眠りしていいのかしら?

 きっと、ダメよね。

 必死に欠伸を噛み締め、眠気と戦い、一度、頭がコクリとなったとき入学式が終わった。

 入学式が終われば、片付けや明日の準備で忙しい。

 片付けといってもそんなにないけど、明日の新入生歓迎会――新歓のリハーサルがある。

 この学校の新歓は、運動部、文科部、同好会あわせて結構な数があるため、半日かけて行う。


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