生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「千紗さんっ」

「長谷川先生、何ですか?」

「この資料の予備知らない?」

「……生徒会室にあったと思います。今から向かうのでついでに取ってきますね」

「ありがとう」

 タツキの柔らかい微笑みを見て、私も微笑む。

 少し目を見開いたタツキは、辺りを見回してから、近くにある用具室へと招いた。

「……なによ」

「あんな風に笑うから、チュウしたくなっちゃった」

「バカなんじゃない?」

 私から。

 触れるだけの軽いキスして用具室から出た。

 一度生徒会室に戻り、タツキに頼まれた資料の予備を持って体育館に戻る。

「先生っ。長谷川先生はいますか?」

「さっきまで、体育館にいたみたいだけど……。あっ。リハが何時からなのか放送しに職員室に行ったかも」

「そうですか」

「何か、用だった?」

「この予備の資料を持ってくるように頼まれたんですが」

「そのうち戻ってくるだろうし、千紗ちゃん忙しいでしょ?私が渡しといてあげる」

「ありがとうございます」

 名前の分からない、確か英語の先生だった気がする女の先生に資料を渡す。


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