生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
見えない先の困惑と光
◆◆◆
1週間の疲れが溜まり、やっとやってきた土曜日の朝。
少し寝すぎたな、と感じながら横を見ればすでに千紗の姿はなく、布団が冷たくなっていた。
時計を見れば、午前11時30分。
あ……やべ。
かなり、寝すぎたな……。
まだ怠い体でベッドからゆっくりと降り、リビングに通ずるドアを開けた。
「ごめん、千紗。寝すぎちゃ――あれ?」
いつもはいるはずの千紗の姿はなく、代わりにリビングのテーブルに一枚の紙が置いてある。
[しばらく、実家に帰ります。心配はしないでください。
それと、私から連絡するまで実家にも来ないで。
お願いします。 千紗]
「……はあ?!」
これって所謂“里帰り”ってヤツなのかな?!
もしかして、と思い千紗の勉強部屋へ飛び入ると、机の上が綺麗になっているし、クローゼットの中も半分以上はなくなっていた。
これは本格的な里帰りだぞ、と考えつつ、何故千紗が里帰りをしたのか考えを巡らせる。