生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


 なんか、タツキの高校生時代を見てる感じだわ。

 きっと、タツキは姉さんに振り回されてたんだろうなぁ。

「ぬあんで、そんなに機嫌が良いの?」

「そういう祥也だって機嫌いいじゃない?」

「まあね。だって、俺は“恋”してるからねっ」

「………遊び?」

「ははっ。ハズレ!本気で恋しちゃったから、もう、大変っ」

 ことさら甘い微笑みを私に向けるけど、祥也が本気になるような女の子って一体……。

 顔の周りに花が咲いたんじゃないかってほど、分かりやすい祥也の頭がグキッと前に倒れた。

「い"っ!!?」

「気持ち悪ぃんだよ。失せろ」

「ケイちゃんひど――びっ!!」

「あら、啓輔。久しぶり」

 もう一度、祥也の頭を殴りドカッと椅子に座った啓輔は、「おう」と眠そうに欠伸を噛み締める。

 相変わらず祥也に振り回されてるわね、啓輔も。

「ねぇ、千紗聞いてっ。今日、一緒にお昼食べたんだよ!」

「良かったわねぇ。その子、名前は?」

「内緒。千紗になんか教えない」

「相当可愛いのねぇ」

 私が笑ったのを見て、祥也は引きつった表情を見せた。

 そんなに怯えなくたっていいじゃない。


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