生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「何で知ってるのか、気になる?」

「……何のことですか?」

「しらばっくれなくたって。俺と長谷川は親友なんだからさ」

「親友?」

「そう。親友。だから、坂桑と長谷川のこともそこの林のことも知ってる」

 さらりと重要なことを言う石谷先生は、からりと乾いた笑顔を向ける。

 いやいやいや。

 石谷先生ってタツキの親友だったの?

「あ……あの!石谷先生っ」

「なーんか、怪しい匂いがするね。腹、痛そうだし」

「それは……」

「いいよいいよ。あのバカには言わないし」

 でもさ、と石谷先生。

「俺、結構生徒から相談とか色恋沙汰の噂聞くけど、長谷川と坂桑の噂なんて聞いたことないんだよね。
どこがバレそうなわけ?」

 げっ、とバツが悪そうな雄太郎。

 きっと、ミドリもカーテンの向こうで息を呑んでいるに違いない。


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