生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「……全然起きない」

 残念そうに呟くタツキに、石谷先生は深くため息をついた。

「起こすなって言ってるだろ」

「だって、久しぶりに千紗の寝顔見たから興奮しちゃって」

「お前は中学生かよ……」

 呆れる石谷先生に、一票。

 ホント、中学生並みの思考回路ね。

「あわよくば、ここでヤろうなんて思ってないだろうな?」

「え、悪い?」

「悪い?って……。思ってたのかよ。俺は、お前に呆れたよ、ホント」

「そんなこと言ってー」

 本気モードで呆れる石谷先生を、茶化すタツキに思わず笑いそう。

 そんなタツキは、再び私の頬を撫で回す。

「……ねぇ、石谷」

 真剣な声色で石谷先生を呼ぶタツキに、一瞬胸がドキリとした。

 もしかしたら、私の狸寝入りに気付いたとか?

 っていうか、ここまでやられて起きない人ってそういないから、気付かない方がおかしい、と思うんだよね、私は。


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