生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
愛しさゆえに そして知らされた事実


 ◆◆◆


「ホント、下手くそ」

「何がだよ」

 不貞腐れたように石谷は、タバコをくわえた。

 ココ、保健室なんですけど。

 千紗の側から離れて、石谷がくわえたタバコを取り上げ、コーヒーの中に入れた。

「うわっ?!何してんだよ!」

「だって、ココ保健室だもん」

「なら口で言えばいいだろっ」

「いいじゃん、別に」

「ってか、何が『下手くそ』なんだよ」

 タバコの入ったコーヒーを、流しで捨てながらそう聞く石谷。

 丁寧にマグカップまで洗って、入れ直してるよ。

「何だと思う?」

「さあな。どうせ大したことないんだろ」

「千紗だよ。ち、さ」

「坂桑が、何?」

 入れ直したコーヒーを啜りながら、パソコンと向き合う石谷の背中に。

「千紗、さっき寝たよ」

 と自分のコーヒーを勝手に入れながら言った。


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