生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
背中に痛みを感じながらも、ギッと目の前の男を睨み付ける。
「もう、私や私の仲間にああいう事するのやめてもらえる?」
「ああいう事って?」
「あとを付けたり、隠し撮りをしたりする事に決まってるでしょっ!!」
「だって、千紗が悪いんだよ?」
「なら!私だけにしなさいよっ」
「それだと千紗は、こうやって僕に会い来ないでしょ?
彼氏に会いに来ないのもどうかと思うけど、ああやれば千紗は会いに来てくれるもんね」
「………私はあなたと付き合ってないわ。付き纏うのは、もう、やめて」
目の前でくくっと喉の奥で笑う佐野を横目に感じながらも、家に帰ろうと脚を踏み出した時。
腕を掴まれ再び背中に鈍い痛みが走った。
佐野を睨めば、にやりと口角を上げて私の腹部を殴る。
痛みに視界が揺れたけど、泣きたくない一心で唇を噛みしめた。
それでも、痛みに耐えきれなかった私は、ズルズルと塀で制服が汚れることを気にせず座り込んだ。