生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「僕に逆らうのがいけないんだよ」

 一段と低くなった声音に危機感を感じ、徐々に近づく佐野の肩を押す。

「……っ。さ、のっ……」

「ふっ。僕は泣いたって許さないんだから」

 佐野の肩を突っ張る私の手を、いとも簡単に片手で私の頭の上で拘束し、気持ち悪いほどの手つきで頬を撫で、顎を持ち上げた。

「今度噛んだら、殴るよ?」

 佐野と顔がぶつかり、ざらついた舌が入ってきてかき回す。

 ぞくぞくと嫌悪感や吐き気が私を襲う中、必死にそれを押し込む。

「……ねぇ、千紗」と愛しさを目一杯含んだ声が響く。

「千紗は僕のモノだよね?なのに、林くんと………。お仕置き、必要だよねぇ」

 今度は冷たく刺すような声色。

 さーっと全身の血の気が引くのが分かる。

 だって……“お仕置き”ってそういうことを指すのよねぇ?


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