生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「……不良撲滅運動ってことか。
だいたいは分かったが、最後のこれは何だ?」

 タクが指差した所を見ると、“昼休みと放課後の見回り”の下に、

「“※屋上と現在使われていない教室と内側から施錠可能な教室、体育館倉庫”
うーん……、何で?
体育館倉庫って……、体育館裏ならまだ分かるけどなぁ。
ねぇ、ちぃも考えてよ」

「考えてるわよ。
………だいたい、屋上以外なんか変よね?
煙草を吸っているのがバレたら即退学でしょ。だったら、室内で喫煙なんて………。
それとも、カツアゲ?それだとしても、ね……。室内は怒鳴り声が響くわ。
――どっちにしろ相当な馬鹿よね」

「だったらさー、屋上と体育館裏だけでいいよね?
それと、職員室から遠い場所で煙草吸ってもバレないとことか、怒鳴り声が聞こえないところだね」

 雄太郎が最後にニッコリと笑顔を向け、タクに賛成するように促した。

「まぁ、そんなところだろ」

 あっさりと見回りの場所を変更・決定したこの状況に村上先生は、目をぱちくりさせ非常に困ったという表情を私達に見せる。

「あ、あの……その、ね?だから……」

 「何かご不満でも?」と村上先生を見る私達に、明らかに動揺している様子。

 そんな私達は、交互にお互いの顔を見合わせる。

 どうやら私が言いださなければならないみたい。

「村上先生、この計画の裏に、何があるんですか?

――白状してもらえますよね?」

 ふっと口角だけを上げ目を細目ながら見つめれば、「……参ったわねぇ」と、ため息と同時に吐き出した。



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