生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


 佐野の言葉を遮って聞こえてきたのは流暢な英語。

 眉を潜めた佐野が振り返ったため、その声の主がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

 声の主は、ショートカットで前髪を真ん中で分けて、大きめなサングラスをかけるタイトなスーツ姿のこの女性。

 髪色は落ち着いた茶色にも見えるが、なにぶんあの大きめなサングラスの所為で日本人かどうかは見分けがつかない。

 その女性の後ろには、こちらもスーツ姿で黒よりの茶髪の日本人男性。

「ねぇ、聞いてるの?そこのあんたに言ってるんだけど。だいたい、そんな大して立派でもないようなモン女の子にくわえさせる気?」

 その女性から次に聞こえてきたのは、こちらも流暢な日本語。

 でも、言葉遣いからして彼女は日本人女性かしら?

「………ヨウ。ミナミ先輩に電話」

「はいはい」

 ヨウと呼ばれた男性は、仕方なさそうに携帯電話を取り出した。


< 322 / 361 >

この作品をシェア

pagetop