生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「はい。坂桑千紗と言います」

「千紗ちゃん、かあ。可愛い名前。じゃ、こっち来てシャワー浴びてきて」

「私も家近いですし……」

「遠慮するの?っていうか、そんな格好で家帰ったら親がびっくりするって」

「そうですけど……」

「ほら、早く早く」

 背中を押されリビングを出て、脱衣室に案内された。

 華さんは「バスタオル置いとくから」と足音からして二階に上がったのかと思っていたら。

 ダダダっと勢いよく階段から下りてくる音が聞こえ、

「着替えっ。下着は新品だから、安心して使ってね?もちろん、あげるから。あと、普通のブラウスか北高のブラウス。スカートは大丈夫みたいだし。まあ、置いておくから適当に着てね」

 一気に言い放った華さんは、北高――高北高等学校の出身らしい。

 確か、北高は公立の高校だけどその中でも結構可愛い制服だった気がする。

「すみません。何から何まで……ありがとうございます」

「いいのいいのっ。あたしも同じような経験あるから、分かるんだけど。そうそう。あたしはしちゃったんだけど、シャワー浴びながら気絶はしないでね?
あたし、リビングにいるから困った時とか叫んで」

 それだけ言い残して、一度私を抱きしめてから、リビングへと戻っていった。


< 326 / 361 >

この作品をシェア

pagetop