生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「………ぃ?………ちぃ?」

 気付けば私は寝ていた様で。

 目を覚ますと、ミドリ、雄太郎、タクが私の周りにいた。

「………ごめんなさ――」

 始めに出てきた言葉は謝罪だったけれど、それはミドリのタックルにも似た抱きつきに言いきれなかった。

「ちぃのバカーっ!!」

「うん。ごめんね、嘘ついて……。でも、けじめつけなくちゃって思って…」

「千紗。それで、佐野は?」

「………それは」

 佐野は捕まった。それも“強姦未遂”で、なんて言えない。

 未遂だったからまだ良かったものの、その直前まで私は佐野に犯されていた。

「千紗。俺が話そうか?」

 珍しく優しい声色の啓輔は、私の頭をぽんっと撫で「隣の部屋行ってろ」と寝室のドアを指差した。

 私は素直に寝室に行きベッドに腰掛け、窓の外へ視線をやる。

 寝室に来る前、テーブルに置いてあった私の携帯を持ってきて、正解だったかも。


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