生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


 携帯を開いて、電話をかける。

『もしもしっ。千紗?!』

「……タツ、キ……」

『雄太郎と一緒にいる?』

「うん。あのね、タツキ。私、タツキに話さなくちゃいけないことがあるの。ちゃんと、マンションに帰るから待っててもらえる?」

『ああ、待ってるよ』

「………それじゃ」

 カチャンと携帯の閉じる音と共に、私は涙が止まらなかった。

 タツキは、私を受け入れてくれる?

 佐野に汚された私を、タツキはタツキは………受け入れられる?

 私はある程度の覚悟が必要かもしれない、と頬を伝う涙を手の甲で拭いながら思った。

 コンコンとノックの音に顔を上げると、啓輔が手招きをしている。

 重たい腰を上げ、恐る恐る寝室を出ると、泣きじゃくるミドリをタクがあやしていた。

「……ミドリ」

「……うう……ちぃっ……」

「泣かないで、ミドリ。自業自得なんだから」

「でもっ……」

「タク。ミドリを頼める?」

「ああ。坂桑、悪かったな。嘘を見抜けなくて」

「ううん。いいの」

 俯いて押し黙っていた雄太郎は、顔を上げてたと思ったら私を抱き寄せた。


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