生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
なんだかこの暗い道に光がないんじゃないかって思わせるほど、空気が重たい。
今、雄太郎が隣にいてくれなかったら、私はきっとさっきのミドリみたいに泣きじゃくっていたかもしれない。
そのくらい、私の心は張り裂けそう。
きっと、タツキのことが好き過ぎる所為だわ、となんとなく良い方向に考えてはみるものの。
悪い考えばかりが頭を過る。
こんな風に思うんだったら、赤いチューリップが届いたその日に言うんだったわ。
「千紗、着くよ」
「……う、うん。ちょっと、待って。全然、落ち着かないわ」
「え。もう着くってたっちゃんにメールしちゃった」
「ウソっ。でも、無理よ。今から実家に帰りたくなってきた」
「それやられたら、俺たっちゃんに今度こそ半殺しにされる」
「“今度こそ”って何よ?」
それは……、と言葉を濁す雄太郎。
よく顔を見てみれば、口元がほんの少し赤くなっている。